ここ最近の読み物

 ドラマチックチルドレン 新潮文庫 乃南アサ

様々な理由から、ごく普通に学校に通えない子供達を集めて共同生活を送る施設がある。
今日もまた、去る子供があれば訪れる子供ありといった感じで、共同生活を取り仕切る川又にはほっと一息つく暇はないのである。
事実を元に作られた、子供達の再生ストーリー。


これはノンフィクションなわけですが、乃南さん、あまり向いてないんじゃ?と思ったり。
いつもの文章の迫力がなく、淡々と事実のみを書き連なった感じがしたかな。
まあ、この本自体がそういう記録物として書かれているんだろうけどねー
いつもの乃南さんの文章を期待して読むと、肩透かしを食らうかも・・・
内容に関しては、曲がりなりにも教育学に関わる職業に就いている身としては、色々と考えさせられるところではありましたーまあ、まもなく退職ですが。



 ブルータスの心臓 光文社文庫 東野圭吾

一人の女をめぐるトラブルに巻き込まれた三人の男は、共同で女の殺害計画を立てる。
巧妙に考えられた殺人計画は完璧に実行されたように見えたが、約束の車に乗せられていたのは、その実行者の一人の死体であった。
残った二人も命を狙われ、危うくたった一人だけが生き残った。
徐々に狭められていく警察の捜査の中で、奇妙な動きを見せる関係者達。
女の逆襲か?それとも他の誰かの仕業か?さらにそれは何のために??
事件の裏に隠された真実は、過去に起きた工場事故へと繋がっていくのであった・・・


一度完璧に練られた殺害計画が、一つのほころびから徐々に破綻していく過程の書き方なんか上手いなーと思います。
今回の事件は、フーダニットやホワイダニットがメインだと思いますが、自分なりの推理はやはり中途半端なところまでしか行きませんでした・・・まあ、毎回そこまで真剣に謎解きをしよう!と思って読んでいるわけでもないんだけどね。
少々登場人物の役割分担があいまいなところもあるかなーとも思ったけど、この人間を登場させた意味ってなんだろう?って考え方自体が、推理寄りの読み方だと気づきまして。
んーやっぱりちょっと読書傾向偏ってるなーと思う今日この頃です。