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 学生街の殺人 講談社文庫 東野圭吾

元々は大勢の学生でにぎわっていたが、しだいに学生達から見放されていった街。
その寂れたビリヤード場で働く津村光平の周りで、不可解な事件が起こり始める・・・
一見単純かに見えた最初の事件は、第2、第3の事件へと発展していくのであった。
様々な人々の過去をからめとりながら、徐々に浮き彫りになってくる真相。
一度解決したかに見えた事件は、新たな局面を迎え、そして思いもかけない真実へと光平を導いていくのであった。


初期の頃の作品だなーという感じがすごいします。
悲しいまでの意志の強さ、運命的な出会い、様々な形の愛、二つの間で揺れる気持ち、どんでん返しの展開、複雑そうに見えるが視点を変えることで容易に見えてくるトリック・・・
様々な試みが色んなとこで見られて、これが後のあの作品に繋がっていくんだなあーと、何やらちょっと東野氏の原点を見たような感じ。
ただ、少々色んな要素を詰め込みすぎて、焦点がぼやけているような印象も受けます。
たぶん、良くも悪くもチャレンジ作品だったのでしょう。
また、色々な作品を読み返してみたくなったのでした☆