最近の読み物

 七回死んだ男 西澤保彦著 講談社文庫


前回の模倣犯もそうですが、ちょっと調子が戻るまでは要約は省略で(>_<)
とある友人から借りた本第一弾・・・以下第五弾まで続いたりします(笑)
さて、この作品はちょっとした超常現象をからめたミステリーです。
どうやら、SF新本格なんて言われ方もしてるようですが、このタイプの作品は実は初めて。
要は、ある種の特殊設定(今回の場合は同じ日を何回も繰り返してしまう特異体質の人物が主人公)をルール化した上での謎解きということで、その設定の上でのみ成り立つミステリーなわけです。
この手法、確かに私が好きな論理パズルっぽい所があるかも(笑)*1
論理パズル、特に新たに考案された新パズルは、その場で初めてルールを知ってそこから自分なりに解釈して説き筋を作っていくという作業があり、そういった要素がこの作品にも見られる気がします。
まあ、そういうパズルが最初から自力で解けることはそうそうなく、当然この作品も自力で真相に迫る事はまったくなかったんだけどね〜
最初に真相を読んだときは、実はイマイチ釈然としない気分だったけど、この設定での論理的な解答はこれしかないんだろうなあ・・・
設定の面白さ、それを生かした謎解きが光る作品ですが、登場人物の描写(しゃべり方とか特に)なんかが妙にリアルで面白く、作品全体の雰囲気もよかったです。

*1:裏表紙要約に本格パズラーという表記があったことより