最近の読み物

 悪魔の羽 幻冬舎文庫 乃南アサ

人の心の奥底に潜む闇を、四季をモチーフにした話などで浮き彫りにした短編集。
表題作他六編。


ひっそりと佇むようなこの「闇」、どんな人の心にもあるものだと思うけど、なぜこんなにも引かれるのでしょうか・・・別にその闇を支持しているわけじゃないんだけどね。
何かを知ろうとする時に、自分はとにかく色んな角度からそのものを見よう!と思うくせがあって、それだけに普段見えない部分には余計に興味があるのかなあ?
人の心に限らないけど、たった一面見ただけで何が分かるんだ?と思ってしまうしね。
でも、いわゆる直感っていうのも侮れないって思うけど☆


 聖母(マドンナ)の深き淵 角川文庫 柴田よしき著

一児の母となったリコは、下町の辰巳署へと異動になっていた。
比較的穏やかな日々の中、リコは一人の女性から行方不明の親友の捜索を依頼される。どこから見ても女性の彼女は、実は男性の体と女性の心を持つトランス・ジェンダーであった。
そんな中、一人の女性が暴行されて死体で発見される。ごく普通の主婦と思われていた彼女であったが、しだいに暴力団との関わりが判明し始める。
そして、次第に二つの事件はつながりを見せ始め、そして過去の未解決の乳児誘拐事件をも絡めとり、さらなる犠牲者を出してしまう・・・
事件の裏に隠された真実に立ち向かうために、再びリコは立ち上がったのであった。


前回読んだ、RIKOシリーズ第二弾。
やはり安定的に面白いです〜色んな謎が現れては消え、そしてまた現れ、最後にそれらが大きな謎へと繋がって、最後の収束へと向かっていく・・・
その小さな謎の絡め方と、絡まった謎の解けていく過程の持っていき方がうまいなーと。
まあ、謎自体の難易度はそう高いものでもないですが、それはこの小説のほんの一部分でしかないからね、主人公のリコの生き方も含めて、色々楽しめるところがたくさんありますー
シリーズ物といってもあまり関連性のないものも多いのですが、このシリーズは比較的前回とリンクしてる部分がある感じです。テーマも似てる部分あるしね。
なので、読む方は一作目を読んでからをお薦めします〜