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 氷雨心中 新潮社文庫 乃南アサ

線香、染物、酒蔵、金細工、能面、提灯・・・・日本の伝統工芸の世界で静かに技を磨き続ける職人達。その閉じられた世界での渦巻く怨念や殺意を、美しくも哀しく描いた短編集。


実は、結構乃南さんの作品はたくさん読んでいるのですが、どちらかというと普段あまり読まないジャンルの作家さんだったりします。じゃあなぜ好んで読むのか?
んー何やらよくわからないけど、どことなく引き付けられるんだよね・・・・
今まではそんな感じだったのですが、この作品を読んでちょっと謎が解けました。
乃南さんは、「書かない文章」が上手いんだ!
私は自分で言うのも何だけど、結構想像力がたくましい方で、本を読みながら色んなことをぼーっと考えています。たまにそれが暴走しすぎたりしてね☆
なので、すべてをはっきりと書いてしまうより、それとなく匂わせる感じの文章が好きなのです〜想像の余地があるやつ。
で、乃南さんはそれがすごい上手いのですよ〜なんというか、行間から湧き上がるような人の情念というかね・・・怖いのです。
私も、もし文章を書くことがあったらこんな風に書けたらいいな〜と思う方なのです☆


あ、もう一冊あったけど時間オーバー。またの機会に・・・・